お盆の送り火と迎え火は7月?8月?気になったことを調べてみました。お盆の迎え火送り火、7月と8月のどちらで行なえばいいのか、気になる方はこちらをご覧ください!
お盆の時期になると、故郷に帰省する人も多いと思います。
10代20代の若い人にとっては、長期連休のイメージしかないかもしれませんね。
しかし日本の伝統的な行事ですから、お盆がどういうものか知っておいて損はありません。
お盆は祖先の霊を祀る行事で、多くは8月15日を中心とした計4日間に行われています。
地域によって特色があり、迎え火やお供え物の種類も様々です。
それに「旧の盆」「新の盆」「月遅れの盆」では、それぞれ時期が違ってきます。
今回は、そういった「お盆の基本的な情報」「お盆の期間」「迎え火・送り火の基本的な情報」「迎え火・送り火のやり方」について解説していこうと思います。
もくじ
お盆とは?
お盆はご先祖様の霊を祀る一連の行事で、正式名称は盂蘭盆会(うらぼんえ)といいます。
盂蘭盆は中国から伝わった仏教行事で、旧暦の7月15日を中心に行われていました。
亡母が餓鬼道に落ちた目連尊者が、釈尊に言われた通り多くの人に布施をして母親を救った、という伝説が由来になっています。
母親が苦しんでいた時、「逆さ吊り」にされたかのような感覚を味わっていたといいます。
盂蘭盆は、サンスクリット語のウランバナ(逆さ吊りの意)の音をそのま漢字に移した語です。
日本に伝わる際に、中国の祖霊の行事も混じったようです。
「お盆」の起源ははっきりと分かっていません。
7世紀始めに推古天皇が行った法要が、初のお盆だと考えられています。
そして、8世紀ごろに先祖の霊を供養する儀式が定着しました。
お盆は上流階級だけが行うものでしたが、江戸時代になると庶民も行うようになります。
お盆に必要不可欠な蝋燭の価格が下がった事で、庶民にもこの行事が広がっていきました。
日本のお盆に近い行事は、韓国や中国にもあります。
韓国では、旧暦の8月15日に「秋夕(チュソク)」を行っています。
故郷に帰ってお墓参りなどをするのですが、日本のお盆よりも華やかな感じです。
中国には「清明節(せいめいせつ)」があります。
お墓を掃除やお供え者をし、亡くなった祖先のために偽物の紙幣を燃やすのです。
お盆になると、日本全国のお寺で盂蘭盆会を行います。
新盆は故人を偲んで多くの人が集まりますから、早めに準備を始めた方がいいでしょう。
お盆を迎える前に、盆提灯や盆棚、お供え物などを用意します。
地域によっては、亡くなった人が生前好きだった物を準備しておく場合もあります。
お盆に馬に見立てたキュウリや、牛に見立てたナスを見たことがあると思いますが、あれは精霊の移動させるためのものです。
馬に見立てたキュウリは早く帰って来れるようにするためのもので、牛に見立てたナスはゆっくり帰ってもらうために作ります。
また、新盆の際は「新盆提灯」を用意しなければいけません。
お盆には日によって役割があり、「迎え日」でご先祖様の霊を迎え、「中日」で霊が家族と過ごし、「送り日」で帰ってもらいます。
新盆と旧盆の違い・7月?それとも8月?
旧暦の7月15日を中心に行うお盆を「旧の盆(きゅうのぼん)」といい、旧暦の7月13日から7月16日までの4日間行われていました。
現在、お盆を旧暦の日付で行うのは、沖縄などの一部地域だけです。
東京などの一部地域では、新暦の7月15日を中心にお盆を行います。
「新の盆」と呼ばれることもあり、新暦の7月13日~7月16日の間に行われます。
その他の多くの地域では、新暦8月13日~8月16日まで「月遅れの盆」が行われています。
大抵の企業は、8月13日~8月16日の4日間(月遅れの盆)を休日にしていますね。
地域によっても違いがありますが、東京・沖縄以外の殆どの地域では「月遅れの盆」をしています。
明治時代に国際基準に合わせるため改暦した事で、新暦で行う地域と旧暦で行う地域に分かれました。
その同じ新暦に行うお盆でも、地域によって「新の盆」と「月遅れの盆」で約30日間の差があります。
分かれた理由についてはハッキリと分かっていませんが、「新の盆」の時期が農業の繁忙期だから後にずらしたと考えられています。
東京は農業を重視する必要がないから「新の盆」を続けている、というのは確かに説得力のある理由ですね。
お盆のやり方は、「新の盆」と「月遅れの盆」に違いはありません。
また、「新盆(しんぼん、にいぼん、あらぼん)」と「新の盆」を混同している人もいますが、別の意味の言葉です。
「新盆」は、四十九日が終わってから初めて来るお盆の事をいいます。
「新の盆」と「新盆」の言葉を取り違えて伝えてしまうと、勘違いした親戚・知人が突然やってくる、という事態になりかねません。
そうならないように気をつけて下さい。
2019年の「新の盆」は、7月13日の土曜日から始まり、7月16日の火曜日に終わります。
2019年の「月遅れの盆」は、8月13日の火曜日から8月16日の金曜日までです。
お盆の迎え火・送り火とは?
「迎え火」は、ご先祖様が迷わず家に来れるようにするための目印です。
「月遅れの盆」なら8月13日、「新の盆」なら7月13日にします。
前日の12日にする地域もあり、迎え火をする日のことを「迎え日」ともいいます。
「送り火」は、ご先祖様に帰ってもらうために行います。
「月遅れの盆」なら8月16日、「新の盆」なら7月16日にします。
前日の15日にする地域もあり、送り火をする日のことを「送り日」ともいいます。
五山の送り火のような大文字焼きは、送り火の名残ではないかと考えられています。
長崎市や盛岡市では、送り火の代わりに精霊流しや灯籠流しをしますね。
精霊や灯籠と一緒に災いなどの悪いものを流す、という意味もあります。
関東の一部地域では、健康のために火をつけた「おがら」の上をまたぐ風習があります。
それに、独自の言葉やお経を火に向かって唱える地域もあります。
お盆の送り火・送り火のやり方とは?
13日までに提灯や盆棚の準備をすませ、玄関や庭に焙烙(ほうろく)の器を置き、「おがら」をの上で燃やして合掌してください。
これが「迎え火」です。
焙烙は平たい素焼きの器で、「おがら」は皮をはいだ麻の事です。
焙烙の代わりに火に強い平皿を使う人もいますし、蝋燭や松明などを「迎え火」に使う地域もあります。
祖先の霊は、この迎え火の煙を辿って家に来るといいます。
地域によっては、おがらを燃やして残った灰をタンスにいれます。
そうする事で、着る衣類に苦労しなくなると信じられています。
おがらはスーパーなどで売られていて、最近ではネット通販でも手に入れる事ができます。
16日に迎え火と同じ手順でオガラを燃やすのが「送り火」です。
焙烙の上でおがらを燃やすだけでなく、墓地から続く松明や蝋燭に火をつける地域もあります。
お手軽なセットがありました。蓮の葉など用意が難しいので助かりますね。 |
ペット用のお盆キットも用意されています。提灯の足跡柄が可愛いですね。 |
お盆・送り火・迎え火のまとめ
お盆のやり方には地域差があり、行う方法や時期が違っています。
「旧の盆」は旧暦の7月15日を中心に行い、「新の盆」は新暦の7月15日を中心に行い、「月遅れの盆」は8月15日を中心に行うのでしたね。
「迎え火」はご先祖様の霊が家に来れるようにするための目印で、「送り火」はご先祖様の霊に帰ってもらうために行います。
「迎え火」と「送り火」のやり方は、提灯や盆棚の準備をすませ、玄関や庭に焙烙(ほうろく)の器を置き、「おがら」を燃やして合掌するというものでした。
現代人が、これらの伝統的なお盆の手順をすべてこなすのは難しいかもしれません。
しかし、その内のいくつかをするだけでも、気持ちが安らかになると思います。
例えば、「迎え火」と「送り火」の日にちを少しずらして行ったり、お墓の掃除と参拝だけでもしてみると、晴れ晴れとした気持ちになるんじゃないでしょうか。
お盆の時期くらいは先祖や故人を思って、日本独自の風習を守っていきたいものですね。